第10回 関西クィア映画祭 2016
10th Kansai Queer Film Festival 2016

~ 歴史をつくる これからも わたしたちも ~

開催日

  1. 大阪会場(とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ)
      
  2. 京都会場(京都大学西部講堂)
      

メッセージ

クィア食堂さん

クィア食堂さん 近影

関西クィア映画祭、12年目10回目の開催、本当にありがとうございます。関西クィア映画祭があって本当に良かったと感謝しています。

この関西クィア映画祭の素晴らしい特徴のひとつは、エンターテインメントの要素の他に、政治的な視点や社会的な問題提起を含む作品を意識的に数多く上映されていることだと思っています。クィアと様々な問題の関係をテーマにした作品は他ではなかなか観ることができません。

例えば、クィアと植民地主義や資本主義、クィアと家父長制、クィアとセクシズム、クィアと性別二元論、クィアと人種差別や民族差別、クィアと健常者中心の社会、など。

またそれらの問題を複合的に扱った作品。

関西クィア映画祭は、そういった作品を上映することによって、社会全体の中での権力を持つ者だけでなく、クィアの中での権力を持つ側の人の視点ではない、「弱者」の立場の視点から語っている作品を発信する珍しい存在です。

これらのことは全てクィア・コミュニティーの中で話し合わないといけないことであり、これらのことはクィアが「セックス」よりもっと広い範囲のことであるということを示しています。一方で、人との関係の作り方やセックスは、私達の日常の中で大事なことでもあると思っています。規範の枠の中に無い関係の築き方、セックスのあり方を表現する作品を選ぶことによって、---付き合うこと、結婚すること、家族を作ること、彼氏・彼女、性行為など---世の中に数多い親密な関係を作ることの規範、「当たり前」の概念に対して疑問を投げかけてくれます。

また、大企業や偽善的な組織の力に頼らず、有志で運営しているところに強く共感します。

クィア食堂をやっている私達にとってクィアとは複雑に絡み合った様々な問題に対して挑戦的であろうと模索すること、そうやって生きること、です。

先入観や既存の価値観から自由になって、色々試したて、人との繋がり方、関わり方、そして表現のし方を模索しながらやっています。

長い間継続して映画祭を行うことは大変なことと思いますが、心から尊敬します。

お互いに模索していきましょう。