第10回 関西クィア映画祭 2016
10th Kansai Queer Film Festival 2016

~ 歴史をつくる これからも わたしたちも ~

開催日

  1. 大阪会場(とよなか男女共同参画推進センターすてっぷ)
      
  2. 京都会場(京都大学西部講堂)
      

華語特集@大阪会場のアフタートークのゲストが決まりました

4/29(金)『私たちはここにいる』 のアフタートークは、石頭監督によるSkypeトークを開催します。石頭監督はビザの都合により来日が叶いませんでしたが、大阪会場の皆さまとの交流を楽しみにしており、Skypeで中国と日本をつなげたトークを実施したいと思います。

石頭石頭は、レズビアンの活動家であるとどうじに、芸術家(絵画)や映画監督、映画女優、映画祭運営を務めるなど、これまで多彩な活動を展開してきました。レズビアン活動家としては、2000年に中国のマスメディア(TV番組)で初めて同性愛者としてカムアウトした経験をもちます(同性愛はタブーだったため、同番組その直後、政府の介入により打ち切り)。映画女優としては中国初のレズビアン映画『今年の夏(今年夏天)』で主演女優を務め、同作品は国外でいくつかの映画賞を受賞しました。2000年代後半以降は「中国クィア巡回映画祭」を運営し、クィア映画を見ることのできない地方都市や農村部の学校や工場、町のカフェなどを巡回しながら「クィア」な空間を開拓してきました。

彼女が監督を務めた『私たちはここにいる』は、95年の国連主催の北京女性会議における「性的指向」をめぐる闘争を契機として勃興したレズビアン運動に着目し、その後の運動の展開を描いたドキュメンタリー作品です。アフタートークでは、映画制作の背景や、中国や国際社会での受容などに加え、多彩な背景をもつ彼女ならではの「多様な」テーマをお楽しみいただきたいと思います。

小鉄5/1(日)『私とダンスを』のアフタートークでは、北京LGBTセンター(北京同志中心)で代表を務める小鉄によるSkypeトークを開催します。小鉄の運営する北京LGBTセンターは、中国で「LGBT」をテーマにした最大規模のNGOです。これまで、政治の中枢とされる北京市にLGBTコミュニティを立ちあげて当事者へのサポート活動を展開するとともに、政府や警察と渡り合ったり、LGBTコミュニティの中の「マイノリティ」に目を向けたイベントを積極的におこなったり、中華圏や海外とのネットワークを形成するなど、多様な活動を展開してきました。北京LGBTセンターで代表を務める小鉄は、フェミニズム運動とも関わりが深く、中国を代表する「女性映画祭」(北京)の運営者でもあります。

アフタートークでは、政府と緊張関係にあるLGBT運動が、2000年代の中国でどのように展開してきたかを中心にお話をうかがいたいと思います。『私たちはここにいる』(4/29)のアフタートークが、90年代の「運動初期」の状況をよく知る石頭のお話であるとするならば、『私とダンスを』(5/1)はその後の2000年代中盤以降の運動の展開や広がりを引き継いだお話になります。石頭と小鉄とでは世代も違いますので、華語特集@大阪のアフタートークを2本まとめてご参加いただくことで、中国の性的マイノリティ運動の「歴史」と「現在」を理解する手がかりをつかんでいただける企画になると考えています。

さいごに、アフタートークでおふたりに聞いてみたい質問やテーマ、リクエストなどがあれば、それぞれ映画上映前日までにFacebookやTwitterで、映画祭公式アカウントまでご連絡ください。時間などの都合から、すべての質問やリクエストにお応えることを確約することはできませんが、トーク構成の参考にさせていただきたいと思います。

それでは、皆さまの関西クィア映画祭・華語特集へのご参加をお待ちしております。